日曜日, 1月 20, 2013

スマホOSの乱立


iOSとAndroidの戦いばかりで面白みにかけていたスマホ界に雨後の筍の様に新たな名乗りを上げたOSの数々。なんで、タブレットをWindows Phone 8にしなかったんだと思っていたら、Windows Phone 8の拡張に思えるRTが早々と見捨てられそうな雲行きで結果的にはPC版の拡張を作っておいて良かったね状態のMicrosoft。今回は有象無象のスマホ用OSの感想を書いてみたいのだ。

iOS:私がiOSを貶すことはないと思っている方もいるだろうが、iOS6は失敗作のマップを載せたことによってイメージを悪くしたのは間違いない。法人向けのサービスは整ってきたため、その部分は大いに評価できるが…OS全体のシェアに関わらずハードウェアメーカー系ではないSIerを含めたベンダーがターゲットにするのはiPhoneではなくiPadなのは間違いなく、今年は様々なところからiOS端末をクライアントに据えて設計されたシステムが登場してくるだろう。★★★★
Android:取り敢えず電話が掛けられるから売れたスマホでの成功はタブレットには通用しないことが明らかになった2012年。商売にならなければ手を引くのはビジネスの鉄則で、端末の価格の安さだけが評価対象の企業以外には販路がない状態になっている。アメリカでの実績をベースにiOSに的を絞った三菱UFJカードに遅れる事8ヶ月。三井住友カード(NTTデータ)も春にはAndroidシフトだったのにiOSへと大きく舵を切ってきたが、セキュリティの穴の防ぎ様がないAndroidは決済ビジネスには使えないと漸く気付いたのだろう。要はアプリが作りやすいだけでは話にならなかったのだ。★★★
Windows Phone:クソだった7から日本語も使えるようになった7.5になったのに殆どのメーカーが乗ってこなかった2012年。過去には最大手であったNokiaが自社のOSを捨ててまで採用を決めた8も今のところ大成功とは言えないだろう。メインのPCを生かす形でタブレットを伸ばしたいMicrosoftの出した答えはスマホとタブレットは別ジャンルの方程式。乗り換え時に離れるであろうAndroidユーザを取り込めるのかがWindows Phone成長の鍵になるだろう。★★
Windows RT:ARM系チップ専用の力不足なOS(アプリは皆無に等しい)。中途半端にPCに色気を見せたために中途半端な存在になってしまった。UIなどはキメラ(Pro 8)よりも悪くないと思うのだが、Microsoftの本気度が低いのだから仕方がないだろう。Windows MeやVistaのように間も無くなかったことになるのだろうか。既にSamsungなどは見捨てました。★
Windows 8 Pro:本来はPC用のOSなのでここに入るべきではないが、Microsoftが土俵にしてしまったのだから仕方が無い。デスクトップ用とタブレット用が混在するというあり得ないOS。既存のWindowsユーザは同じアプリが動くので喜ぶのかもしれないが、それが動作するのはPCモードの時。タブレットらしく使おうと思ったらRTモードで動作するアプリを購入しなければならないと言う信じられない代物。その上RTモード用のアプリなんて現状は殆どないのだからRTモードは何に使うのかが全く見えてこない。と言う訳でスタイラスペンとキーボードを標準装備にしなければまともには使えないだろう。★★
webOS:HPに買い取られた辺りで怪しくなっていたのにやめるのやめないののドタバタで本当に無きものに。UIなどはすごく格好良かったのだが、負け組となってしまえばサードベンダーに見放されるのは当然のこと。そして見捨てたはずのHPが密かにまた開発者を雇い入れているとの噂も。やるなら腰を据えてもらわないと…Androidなんかよりは筋が良かったのに。★
Tizen:Samsungが製造するドコモ用の端末で使われることになったOS。ベースはLinuxだが、MeeGoやMaemoなどのMoblinなどのOSの中から必要なモジュールをかき集めて作った寄せ集めOS。その上、ドコモではアプリをHTML5で作るらしいのだが、機種依存が少ないからWebアプリ開発にむくHTML5+JavaScriptで自社囲い込みのサービスを作るのだそうだ。フランケンシュタインのように化け物扱いされないことを祈るばかり。ものが出る前にポシャる可能性だって高いのだ。★
Ubuntu Phone OS:他のスマホ用OSとは一線を画するモバイルで動くPCと言った存在。専用のデバイスが出るかどうかには関わらずAndroid端末などでギークな方々が使うのだろうな。これはスマホ用OSではなくポケットに入るUbuntuなのだ。メインストリームにはなる訳がないが消える事もないだろう。★
Firefox OS:こちらはMozillaが開発中の特定プラットフォーム上ではなく「オープンウェッブ」技術を使ってHTML5+JavaScript+CSSで作られたアプリケーションをサポートするためのOS。Androidの勢いに押されてすっかり存在感のなくなってしまったGoogleのChrome OSが、これに近い存在だったのかもしれない。こちらは由緒正しいオープンソースと言えるのでその世界の方々が使うのではないだろうか。★★
Sailfish:MeeGoの生まれ変わりなのか浮遊霊なのかは知らないがNokiaでMeeGoの開発していたチームメンバーが立上げたJollaが名乗りを上げた。どう考えてもメジャーを目指すのは無理と判断したのか香港のキャリアとがっちり手を組んでドメスティックなエコシステムの核にしようとしているようだ。AndroidのガラスマよりはスマートOSを載せたフューチャーフォンを狙っているのかも知れない。★

結論:Microsoftが戦略を定めきれずにいるためメジャープレイヤーはiOSとAndroidだけの状態は続きそうな気配。第三世界向けの廉価版で数を稼いでいるAndroidはセキュリティを重視する法人向けでは相手にされることはなさそうだ。2012年に表面化してきたアプリベンダーのAndroid離れは更に加速されるだろう。

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